Monster of the sea(1/2)
Folk tale of Nivkh (Sakhalin dialect)
by Ekaterina Hytkuk
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ту т’ылгур̌, чҳарор̌, милк, тол милк, (малэ: нн)
толвых т’уғр̌ итьира,
х̵а милк х̵унд р̌ылгур̌. (малэ: нн)
тыӈанк, руи... крыузмиғун х̵ат итнд.
наф крыузвиғун х̵ат иттғун. (малэ: нн, нав итнд)
лаи к’эзух лавӈ во х̵эр̌ӄӈух лар̌куд,
лар̌ку миф т’ифт.
таӈ бар̌к ӈаны мив ло?
х̵ун р̌ифт лар̌куд.
лаиух ӄад, к’эр̌ӄӈух чууд.
к’руус х̵ат итфтоҳ вит, х̵устоҳ т’эғ̧т х̵уз лафт.
т’аӈс ньиғв ло х̵айӄнар̌,
х̵алэхпыр̌ ныӈы
х̵омо пил во фита, х̵омо кр̌ыус п’ита,
нафто урьйамғун, крыузвиғун х̵ат итт.
урьйамғун тыӈанк, п’р̌ыт, лар̌кут п’р̌ыт, крыустоҳ п’р̌ыт,
х̵унх т’эҳт, х̵унх во айт ифт,
к’рыузвиғун х̵ат наф, ин ҳа айд.
х̵омо пил во фита, х̵омо к’р̌ыус п’ита х̵аӈа,
х̵аӈа наф пил во фикғун,
х̵удғун наф, р̌актоҳ видғун ло? йычхкун,
х̵айр̌ т’айғ̧ор̌к ин аньғи,
мытькулк эғ̧лӈ ивд айӄнар̌, тьаӄ хук.
тьаӄуӈ эғ̧лӈ ивӈа, осӄ ӈағр̌кис, лаӄ-лаӄ хид.
мукс хэра, осӄ ӈағр̌кис
чҳарор̌ милк, п’р̌ыр̌,
экр̌ йуғд фуру.
вань экр̌ ирвир̌(?) иньиныр̌ вань экр̌ йуғд лу,
эрҳ йуғд, йаӈ п’ыр̌к х̵унвӈа,
р̌ыроҳ, ньғир̌-ньғир̌ х̵аӈгр̌ тьиу латкр̌,
алағ̧э п’ириу т’ырӈа,
п’ириута фир̌, пилкар̌ ньиғвӈ, ӈатьх кылкар̌,
х̵иривир̌ кыпр̌, ахр̌тьиӈ иды ӄаврӈ пилкар̌ ньивӈ.
ара улывғро марр̌, толф тавух, идыӈа, лағ̧ор̌,
п’эғ̧л мукр̌кир̌ йами вазд фуру,
мурр̌ полр̌ кутьр̌, п’ут ратағ̧ар̌,
мин вотьиғ̧ар̌,
мурр̌ полр̌ кутьр̌,
х̵иридыр̌ полр̌ кутьӈа,
х̵аӈа наф, йытьхкун п’р̌ыӈа,
х̵ун милк р̌орит, выкыздғун аӄнар̌,
х̵ат наф, ағр̌тьиӈ, ағр̌тьиӈ, ағр̌тьиӈ, ағр̌тьиӈ,
чҳарор милк х̵ат итӈы,
туӈ, к’рыузвигудоҳ,
ӄозр̌, ағр̌тьиӈ ағр̌тьиӈ, ин т’ҳопт.
ин т’астоҳ виғ̧ай наӈр̌ х̵ымдьир̌, нуд,
ӈа ау лу, нуд ау ло потьи, ньи п’ыр̌к ағ̧р̌,
йау мыдра нр̌ак,
х̵удғун, х̵у милкхун ау,
ӄ’оо х̵ат, тьээ х̵ата, х̵уд
ин т’уғр ағ̧р̌ идыта,
ай т’анх ньи арӈи фит х̵унвӈа, ай т’анғух, ин т’уғр̌,
т’аӈр̌ р̌акло индыт, т’уғр уривут,
ньи киӈ вифтоғ̧ат,
х̵унвуғэ, тьэ х̵унвуғэ,
чуфтоҳ наф лотьи малғ̧овуғэ ,
х̵у т’уғр̌ ағ̧р̌ уйғирэ, нудзи уйғид.
Translation
海の化け物(前半)
この昔話は、チハロシュという化け物、海の化け物の話だよ。海に火がついていることがある。
火をつけている化け物が、この昔話のテーマだよ。
昔、クルウズという集団がいた。
今はクルウズと呼ぶんだ。
大陸側(アムール地方)の方(?)から、大陸住民の村の方から流れ着いてきた。
浮いて流れた土地に乗っていたのだ。
ちょうどいい大きさの土地だったのだろうか。
これに乗って流れてきた。
大陸からやって来た。かなりの速さで海岸へ着いた。
クルウズという場所へ行って、そこへ上陸して、そこに落ち着いた。
どれだけの人数だったのだろうか。
あちこちに広がって(?)
ある者はピルヴォという大きな集落に住み、またある者はクルウズに住んだ。
今ではウリヤムという集団も、(かつての)クルウズ集団のものたちなのだ。
さて(今言ったように)、ウリヤム集団のものたちが昔きた。流されてきて、クルウズに着いた。
そこへ上陸して集落を建設して住んだ。
そのときに「クルウズ」という集団名をつけたのだ。
そして彼らのうちにはピルヴォ村に住むものも、クルウズに住むものもいた。
さてそれで、ピルヴォ村に住んでいたものたちだが、
彼らが、どこへ行ったんだっけな…、じいさまたちだが。
誰だか知らないけど、彼らの妻のひとりがいた。
(彼女には)小さな子供がいたらしい。まだ揺り籠に入ったくらいの幼児だ。
揺り籠に幼児がいて、ウサギのすべすべの毛皮でくるまれていた。
おくるみ(?)を着ていた。ウサギの毛皮でできたやつだ。
チハロシュという化け物が来て、
あるものを欲しがって入って来たそうだ。
鍋を欲しがって、蒸し煮にした(?)食べ物をもとめて、鍋を欲しがって入って来るのだ。
入って来たが、彼女一人だけが家にいたのだった。
まず、戸口のところで、戸が引かれるような音がした。
後ろを振り向いて(?)そちらを見ると、
そこには大きな人間がいた。彼はすごく脚が長かった。
そいつは座っていた。それまで見たこともないような大きな人間だった。
(鍋は)ほとんど煮詰まっていた、冬の家の中では。(しかし彼女は初めてだったので)化け物を見て驚いてしまった。
自分の子供のおくるみを彼に(?)投げつけてしまったそうだ。
死んだようになって崩れ落ちた。その化け物の身体はちょうど
我々人間にそっくりだった。
死んだようになって崩れ落ちた。
倒れ落ちた。
それから、女の夫たちが帰って来て、
この化け物(の身体)を担いで、(海に)投げ込んだのだろう。
そうしてそれからは、(化け物は)二度と来なかった。
チハロシュという化け物は、
このクルウズ集団に対して、
恨みを持つようになり、いつでも彼ら(クルウズ集団)を脅かしているのだ。
彼らはどこへ行くのでも、こんなふうにする。
動物の声か、何かに似た声が聞こえたときは、私もだが、
その声が聞こえるのはこんなふうだが、
そいつら、その化け物どもの声は
泣き声、小鳥のような声なんだが、それが
彼らの火とともに見えて、
ああ、ここに、私はアルギ村に住んでいるが、ああ、ここから、彼らの火が
何度も何度も見えたものだ。火が燃え始めると、
私がまずはじめに、行くところにあった。それから
(先回りするように?)あった。またしてもあった。
全く今ではロシア人ばかりたくさんいて、
この火もなくなった。何もなくなったな。