原文
по-онғир̌(оӈты?) вир̌ х̵ук, х̵уктоҳ вэлвэл, х̵уктоҳ вэлвэл,
ӈокӈокр̌, х̵унғэ-х̵унғэ ӈокӈокр̌,
х̵уд ихмыд фуру,
х̵андата па,
х̵уӈ, ыны сик лэс,
нуд х̵атҳ, нуд вэҳ(?), сик мэлғ̧арр̌ т’эғ̧т,
ыйка, пы к’ырғ̧а нудғун ғэн иньид?
касказр̌ х̵удғун т’унғур̌ иньд,
х̵удғун т’унғур̌ иньд.
х̵адата па, таӈар̌ т’ырӈы р̌ак,
таӈар̌ т’ырӈы,
х̵уӈ, ур ми х̵ыты фид лу,
ньин, миф эғс, п’идра,
наф р̌амдьигун наф п’эр̌ӄтоҳ т’эғ̧ид,
махтур̌ ар̌ӄи тьалра маӈҕд х̵ари,
х̵ы.
х̵удғир̌ ньзалӄорор̌
х̵уд ғэр̌ иньгурор̌ наф,
ньах ур ми фигуд,
нават ньи ах сик ра.”-
х̵ар̌,
к’эӄ к’ымлыд.
“нават ньи сик ра”-
к’эӄ к’ымлыӈа,
ар̌ӄвифк,
ар̌ӄвифк п’р̌ыр̌,
т’эғ̧р̌,
йаӈ урмиф лавр̌:
“х̵эй, чи наф йанд,
ах х̵экид ла,
х̵ы, ах х̵экид ла,
иньр̌ наф чи к’рызл,
ах иньр̌ к’р̌ызд ла чи?
наф лэс чэрҳ лызӈ(?) чэр̌ҳ ч арӈы,
чи иньр̌ к’рызл, напы ар̌ӄвифӄ тьалӄа ҕаврд ла,
ар̌ӄф напы тьалӄа ҕаврл?
ньи наф п’ӈатьҳ пасӄ х̵этьн наф,
ньи х̵эмиф, х̵эмиф тьитьвығ̧ай,
ах миф мур̌ панғ̧ай, чи х̵уд урр̌ т’эғ̧идра,
иды, п’ӈатьҳ пар̌к хитьр̌,
х̵эмиф тьитьвыӈа махтур̌кир̌,
миф муд фуру,
мин хэӄ па, х̵а-х̵а-х̵а-х̵ау,
нават ньи мор̌ӄадра,
нават мор̌ӄа- х̵а-х̵а-х̵а-х̵ау,
т’эғ̧д фуру, п’мифтоҳ т’эғ̧р̌.
ар̌ӄвифк итнд: “х̵ана,
чи наф ах пат ло,
оо оо, к’ру ло, ах чи ньивғун ах,
винғы ньивгун урр̌ муйдра,
ах ньивгун к’азм озунон,
х̵у к’азм наф вығр̌кыӈ,
нуд ло, нудло мар̌к ло китьин х̵ус к’роғ̧ай,
чи х̵уд, ах к’ырмуйныр̌,
х̵уд х̵итрымр̌(?), чи
п’ӈатьҳгу йакзгийныӈра,
чи ах муйдра,
муйдра, ньивӈ урр̌ муйдра”
“х̵а-х̵ай, ньи ла х̵айд?
ньи х̵айн ӄаврдра.”
па, кныкр̌, па
тыкэ тыкэ тыкэ, вид фуру,
х̵уд, ах наф, ин к’лайд мыра,
х̵удғир̌, т’ылгур̌ к’эр̌, к’эр̌п’уриныр̌,
ин к’лайд мыра,
наф ах п’хазмғун ғэд наф,
наф ғура,
сик выр̌кыӈ ӈоҳ,
нуд мар̌к уғри хитьир̌,
тоӄонь(?) хикрэр̌ӄ р̌орор̌
п’рафтоҳ п’р̌ыд.
“иды, ньи наф вит,
вит наф ньи п’хазмғун сийныӈа,
ар̌ӄифкин к’эӄғин,
х̵ымдьит вар̌кдғун.
ар̌ӄ вифкэ, ньин, винғы ньивгун ах ихиныйвур̌ итра.
к’эӄ т’а п’иғинвур̌ итра,
х̵ымдьит вар̌кдғун.
х̵андата махтур̌кир̌ ағ̧р̌,
алр̌ п’эн ньи чаридра х̵аӈа,
туд нуд, сик раӈфтьи лур̌ лэс х̵аӈгур̌ пай,
к’эӄ касказир̌ р̌унғр̌ иньфкэ,
к’эӄ р̌уӈғур̌ иньфкэ,
х̵атот ньи идыӈа,
ах ай туӈ урмиф п’ир̌ х̵унвд.
х̵атот идыӈа, ах х̵устоҳ ньэр̌ӄтоҳ п’р̌ыр̌ наф,
вот, ар̌пик махтур̌кир̌,
тол фир̌ панр̌, мах, тьалра маӈҕдра,
к’эӄ х̵ахтна, а к’эӄ п’эғ̧ан тьалра маӈҕвур̌ итӈа,
к’эӄ тьалра маӈҕдра, ар̌ӄыф эр̌ӄ тьалра маӈд.
ньи пат виғ̧ай, ах ньи к’эӄ р̌ор̌пийд.
махтур̌ ӄ’орор̌, х̵умпат вир̌ ор̌т(?) п’р̌ыӈа,
п’и йычх па к’эӄ вапр̌ куру п’р̌ыба,
туӈ т’ылгур̌ ах сик ра.
訳
キツネをとるワナ(後半)
自分の尻を(ふりながら?)行って、あっちへ振り、こっちへ振り、においをかいで、こっちやあっちでにおいをかいで、
いっしょけんめいさがした。
すると、おや
なんと、全くすっかり、
何か貝殻や、何かナマコ(?)やら、そんなものがたくさん打ち上げられている。
ああ、ちょうど空腹なんだから何でも採って食べるくらいなのに、このご馳走だよ?
熱心にそれらを採って食べた。
みんな採って食べた。
それから顔を上げて見ると、ほら、
顔を上げて岸の方を見ると、
おや、俺はいまや(満潮でとり残された)島の真ん中にいるようだぞ。
さっき俺たちのいたところからずっと遠くにきたなあ。
これじゃあ、どうやって自分のいたところへ水を渡って帰れるだろう。
確かにタコはだますのがうまいんだな。
はあ。
これで、俺をだましおおせて
あれ(魚)をとって食べてから
俺を島に住まわせて
それで、俺はいっかんの終りだ」
と、
キツネは思った。
「それで俺はいっかんの終りだ」
キツネはそう考えた。
タコが、
タコが近づいてきて
やってきた。
彼は島に近づいてきて、
「おい、お前、どうだ?」
「ああ、たいしたものだ。
確かにたいしたものだ」
「食べてもうお前は腹いっぱいだろう?
もう食べて腹いっぱいだろう、お前は?
お前にラズン料理を食べさせてやったが、
お前は満腹だろう。まだタコは他人をだませないと言うつもりか。
タコは他人をだませないかな?
俺は自分の片方の脚だけで
俺ばあの場所を、あの場所を踏みつけたならば
地面になって成長し、お前はこの島に上陸したのだ」
見よ。自分の片足を引っぱって、
あちらの場所を踏みつけると、確かに、
地面になったのだそうだ。
我らが主人公のキツネは、ハハハと笑った。
「だが今はまだ、俺は生きているぞ。
まだ生きている。ハハハハ」
島の上にいる。自分の場所がちゃんとある。
タコは言った。「ならば、
お前は今度は明日にでも、
それとも明後日にでも、お前なんか人間のために、
(ここから逃げて)行けたとしても、その辺をうろついている人間たちによって帽子の防寒用縁取りにされてしまうだろう。
人間たちはカズム罠を立ててから、
このカズム罠に今度は、腐って…
何か、何だろうか、魚の骨でも引っ張りあげて、ここに吊るして
お前がそれを、空腹から
それを引っ張っていると、お前は
自分の脚をはさまれてしまうだろう。
お前はそれで死ぬのだ。
死ぬのだ。そして人間の帽子の防寒用縁取りになるのだ」
「ハハハ、俺がそんなことになるって?
俺はそんなヘマはしないぞ」
といって
小走りで行ってしまったそうだ。
そこで、そう言うのを聞いて、
それで、昔話を聞いておいて、他の誰かに昔話をしてやろうと思って、
話すのを聞いていた。
もう自分のカズム罠を手にとって
地面に突き立てて、
どれも腐った脂身をつけ、
魚の骨の部分なども少しつけて、
先端の上に持ち上げて
自分の家に帰った。
「見てろよ。俺はこれから行って、
行ってカズム罠を置こうとしたら、
タコどもやキツネどもが、
こんな風に喧嘩していた。
タコは、我々つまりよく来る人間たちに殺されることになるだろう、と言った。
キツネは、殺されるはずがない、と言った。
そう言って言い争っていた。
それから本当に、また、
ベリーを採集して私があんたに食べさせようとしていたら、
これは何だ?みんないつも氷がたくさんあるのに、
キツネはいっしょけんめい採って、食べて続けて、
キツネは採って食べ続けているうちに
そのうちに私が見てみると、
なんとまあ、あの小島に(取り残されて)いるではないか。
さらに見ていると、そこへ…私のいるところへやって来た。
まだ生きている。ハハハハ」
海に住むものは、なんとまあ、だますのがうまいものだ。
もちろんキツネもだ。でもキツネは自分こそだますのがうまいと言った。
キツネはだますのがうまい。(でも)タコのほうがだますのがうまかった。
俺は明日行って、キツネを獲ってくる」(と言った)。
確かに(その日)寝てから、翌日行って来たら、
その旦那はキツネを担いで翌々日帰ってきた。
この昔話はこれでおしまいだよ。