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あの世の話(中編) Ekaterina Hytkukさんによる Nivkh (Sakhalin dialect)の民話 出典
ньэнӈ х̵аӈгиск ӄаладьи ӄаврд, эрҳ. тайрыӈ ивф а ас, адьуньах(?), п’ӈағ р̌аӈҕ, ньэнӈ х̵унвд, мытькыӈы к’иӈ, ин орғ̧аӈ(?) ин, зиғӈ р̌аӈҕ, йа мам муйныд, х̵уд, напы мытькыйоғ̧ардата муд. наф пила р̌аӈҕ мур̌ х̵ус п’ир̌, тырғ̧арр̌ наӈр̌ х̵унвд фуру, напы. ах пилаӈ р̌аӈҕ мур̌ х̵унвд. х̵ы, идырор̌, наф, наух х̵унвн ӄ’онон. пат нан, п’фороҳ эғидра. х̵ар̌ к’ымлыд, кузр̌, кузрор̌ йуғр̌, кузр̌ п’аньҳ нр̌ыӈы, йаньҳ напы х̵унғэ, нуд х̵уквур̌кун т’унғур̌ иньд ло йанд ло? п’хыр̌ йуғғ̧ар̌, р̌ауд ак эрҳ ӄалыдьи ӄаврғ̧ар̌..., орв(?) айт иньд ныт иньд, нр̌акск лэ иньдғун лэ йандғун лэ, ӄ’о х̵ат лэлэ тыхтд ло йанд ло, х̵ағ̧ар̌, ньэн х̵аӈгиск эрҳ ӄаладьи ӄаврғ̧ард. туд йаныдғлорыр̌(?) ньинды ӄаврдғун лу, ньиндыдғун лу? тамдьит ньэрҳ ӄалағ̧аврдғунара наӈн ӄ’ойдра, ин даф п’ир̌ ӄ’онд, ӄ’ойныр̌, нуд ӄ’одагин, х̵упр̌ х̵унвӈа, к’аук, х̵ун п’мам муйны р̌аӈҕроҳ вин, йайғ̧он идыйдра, т’амдьийнко? эрҳ вир̌, акрух т’эғ̧р̌, й ирғур̌то т’эғ̧р̌ йаӈ, ӄ’ор̌ ӈарӈы, акрух й ирвр̌(?) т’эғ̧р̌, й ирвр̌(?) й улми рулкур̌, наӈа, эвийор̌ р̌айло(?) ӈалтыр̌ ло пойны бы, ы, а, па пол-болӈы, ыныйа ӄоғ̧ра, нр̌акскух лэлэ, ах муйны-муйны, х̵а дьифтьиф(?) ағ̧зуғ̧ар̌(?) ӄод, нр̌акскух лэлэ, озр̌ нр̌ак х̵эҳа-х̵эҳа нр̌акскух, х̵у таф чар ньивгун хэҳах̵эҳат нр̌ак озт, х̵ы плаӄи х̵эҳат чамӈ аздғун, чамӈ азд, чамӈ азиныт нр̌акскух ӄ’о х̵ат лэлэ, чам ӈадғун, ах сик кузт наф чам ӈадғун. чамӈ тьаӄр ло чам т’ор̌пыдғун. х̵ы, ыны чамгун луғ̧арғ̧ра, нана чамгун луйныӈа кузр̌, п’аньҳ кэр̌, п’аньҳкин уғрыр̌ ку..., ӄ’ас тьат нр̌акскух лэлэ, х̵э, ӄ’ас тьат нр̌ак, п’аньҳкин уғрыр̌ вид, п’аньҳ аскамр̌-аскамр̌, п’аньҳкин уғрыт, п’аньҳкин уғрыт виӈа наф, ах х̵у к’утыроҳ п’р̌ыдғун. ку к’утыроҳ п’р̌ыӈа, п’акэ нан тьиу вилт, ку к’ас тьиу. ку чамгун, п’акэ нан ау вилта, п’акэ нана ау ғылта, ах ара к’утыроҳ п’р̌ыд ах кузивуӈы, п’акэ-факэ ау ғылдғун. ыкыкы, п’эрҳтоҳ чуғ х̵ар̌ кузивуғэ, кныӈкт, ин ау уйғид фуру, ин ҳас тьиузиӈ уйғэ, п’хыт виғ̧ардғун лу йандғун лу? кузр̌ п’р̌ыд, п’извур̌ надата, п’р̌афтоҳ п’р̌ыр̌, п’аньҳ тырура, п’р̌афтоҳ йуғра, йаки наӈр̌ х̵унвура, йаки мам ағ̧р̌ х̵унвура. п’аньҳ, п’аньҳ тырур̌ тафтоҳ йуғр̌, п’ивфтоҳ тур̌ п’онағдоҳ тур̌, позр̌, йаки мам иньд нырор̌, п’аки мам, п’аки мам хэрр̌: “иньд нынон, тьаӄр̌ роньн иньда, иньд нынон тьаӄ рон иньда. ньи наф, п’и винӈ к’эр̌ п’урн, чин хэрнон, чин аҳ т’ылгур̌ мығун к’эр̌ п’урнон ньи чин ынғийдра(?),
あの世の話(中編)
誰一人として彼には気づかない様子だった。
左側の席に、
若い女性がひとり座っていた。
幼い頃知っていた、
婚約相手だった女性、彼の妻となるはずだった人だ。
この女性は、まだ幼い時分に死んでいた。
今や成長して大人の女性になってここに住んでいる。
まだ独身のまま暮らしていたのだという。
もう大人の女性になって暮らしていた。
そう、それを見て、
「さて、今日はここにいて寝ることにしよう。
明日になったら自分の村へ帰ろう」
と考えた。
外へ出て、外へ出てからまた入った。
外へ出て自分のオス犬を見てから…彼のオス犬はまだそこにいた。
何かの塊を見つけて食べてでもいたのだろうか。
戻って入ってしまった。誰も彼のことなどかまわない様子だった…。
夕方になって食事をした。すぐにたくさん食べたのか何かしたのだろう。
声をあげたりしたが、気を悪くする様子もなかった。
誰一人として彼にかまうものはいなかった。
それで、彼は不思議に思った(?)。
「私の姿が見えないのだろうか、見えているのだろうか。
どういうわけで、私に気がつかないのだろうか。
それでもここで眠ることにしよう」
彼らの家に泊って寝た。
彼は寝ようとしたが、
何だか眠れなくて、座っていた。
いや、その自分の妻になるはずだった女性のところへ行こう。
一緒に寝てみよう。どうなるだろうか。
彼女のところへ行き、反対側から寄った。
彼は彼女の寝具に近寄り、
彼女が深く眠っているところへ
反対側から近寄って、
わきの下に手を通して、
それから、腰をつかもうとした。
彼女は「う、うん」と言って寝返りを打った。
「ああ、なんてことだ、病気だぞ。
すぐに、ああ、
もう死んでしまう、死にそうだ」
口から出る言葉も分からないことばかりで、苦しんでいる。
すぐに、ああ、
起きると、怖がっていて、すぐに、
この家にいっぱいに住んでいるひとびとを、怖がって起こしてまわった。
ひとびとは怖がって、
巫術師を呼んだ。巫術師を呼んだのだ。
巫術師を呼ぼうと、みんなすぐに声をあげた。
ひとびとは巫術師を呼びに行った。
さあ、みんな外へ出て巫術師を呼びに行った。
巫術師を三人ほど、みんなは巫術師を連れて来た。
さあさあ、巫術師たちが巫術を始めてしまうぞ。
まだ、巫術師たちが巫術を始めないうちに、外へ出て
彼は自分のオス犬を捕まえて、
自分のオス犬と一緒に、
ええと、
巫術師はどんどん太鼓を叩いていた。
ほら、彼らが太鼓を叩くとすぐ、
彼は自分のオス犬と一緒に去った。
自分のオス犬に教えながら、
彼は自分のオス犬と一緒に、
自分のオス犬と一緒に行くうちに、
やっと例の穴までたどり着いた。
この穴まで来た頃には、
だんだん、あの(太鼓の)音は大きくなって来ていた。
あの太鼓の音だ。
巫術師たちの声がだんだん大きくなって来た。
だんだん、声が長く続くようになってきた。
もうほとんど穴までたどり着いたというところで、
さあ外へ出ようというところで、だんだん声が長く続くようになってきた。
ああなんということか、この世の側へ飛び出すようにして、出てきた。
すると突然、
彼らの声が消えてしまったという。
彼らの太鼓の音も消えてしまった。
彼らは戻って行ってしまったのだろうか。
彼は出て来た。
犬の綱を取って
自分の家へ帰った。
自分のオス犬の綱をほどいてやり、自分の家に入った。
彼の兄が以前の通り住んでいた。
兄嫁も住んでいた。
彼は自分のオス犬の綱をほどいて、家に入った。
自分の席、側面沿いの席のところへ行って、横になった。
彼の兄嫁は食事を用意していた。
彼は、自分の兄の嫁にこう言った。
「食事が用意できたら、三人で一緒に食べよう。
食事が用意できたら、三人で一緒に食べよう。
私はこれから、自分の体験談を話すから。
あなたたちに話すから。
あなたたちに昔話をして聞かせて、話をするから。
私はあなたたちに話をするから。